工法と一口といっても!

@構造強度に関する工法 A断熱に関する工法 B通気・気密・防腐に関する工法ほとんどの方はこれらを混同して説明を聞いて判断をしております。
何を基準に建主さんが判断すべきか各工法の判断基準をご説明いたします。


@構造強度は建築基準法の耐震基準に対して同等かその上のランクかを確認する(契約前の説明がその通りか否かは設計審査の段階で構造計算書を確認して説明を受けること)

耐震等級の目安
等級1 建築基準法を満たしたものです
等級2 地震(震度7程度)の1.25倍の地震力に対して倒壊せず
地震(震度5程度)の1.25倍の地震力に対して損傷しない建物
上記以上の等級を求める場合は基礎と壁量を検討いたします


耐震構造の3要素

住宅の広告に「四寸柱を使用している頑丈な住宅」といったキャッチフレーズの広告を見ます。私はこの様な広告は全く消費者を馬鹿にした広告と思います。ある一点だけを強調して全体が安心出来る様にイメージした広告だからです。構造体は垂直材と水平材のバランスから成り立っております。強度の基準は建築基準法や住宅金融公庫の基準に準じているかの確認です。その確認の為に構造計算を行います。地震の多発する地域で基準より高い強度にしたければ水平応力に係る部材を検討致します。多雪地域や例えば2階の部屋を書庫にする予定(住宅の場合 書籍の重量は侮れません)の場合は垂直応力に関する部材を検討し更に水平・垂直部材のバランスを検討する事です。

在来工法かツーバイフォーか
両者同じ応力に耐えられる様に構造計算に基づいて建てられた在来工法の強度はツーバイフォーと全く同じです。
(在来工法の構造体の接合部が補強金物等で接合する事が条件です)
強度的に同じであれば@設計の自由度Aコスト面B日本の気候風土を考えた場合私は在来工法をお勧めいたします。

構造計算で表れない事
構造計算は各部の部材とバランスで計算しますが、構造体の接合方法は計算外です。接合方法の確認が重要なポイントとなります。

構造部材の接合方法の一例


A断熱 断熱の基本は隙間を生じさせないこと
従来通りのグラスウールを大工さんの手作業で挿入する方法では完全に隙間なく施工する事は不可能です(壁の中には筋交い・配管等の障害物が沢山ある為です)又将来的に壁・床のグラスウールは間違いなく沈下致します。隙間は断熱性能を著しく低下し壁内結露の誘発につながります。
BIB工法 
壁・床部分のグラスウールを隙間なく充填して恒久的に隙間が生じない断熱方法がBIB工法です。  
BIB工法の利点  @建主さんがグラスウール充填施工後に全体を確認出来る事  A恒久的に隙間が生じない事

BIB工法は過酷な条件の振動試験においても、沈下しないことが確認されています 吹込み用グラスウールを壁・床に圧入していきます

断熱材が隅々まで隙間なく圧入させる為、暖房配管や電気配線・コンセントまわりも完全に施工できます。吹込み後の全ての部分が確認出来る事も建主さんにとって大きな安心です。


施工精度と断熱性能


BIB工法で使用するグラスウールは極細繊維のグラスウール(ピンク色)です


B通気・気密・防腐 気密の目的は室内の暖気や湿気を床・壁・天井に逃がさない事です。気密の判断基準は隙間相当面積の値で判断致しますが、この値のチェックは完成後に気密の測定器で検査する方法しかありません。事前のチェック方法としてはその会社の基準値や気密シートの施工方法(先張り工法や接着テープの使用)くらいは質問しておく必要があると思います。

隙間相当面積の目安
換気方法 相当面積 換気回数
部分換気の場合 5cu/u 0.5回/時間
集中換気の場合 3cu/u 0.3回/時間

通気の目的は木材の腐食と壁内の結露を防ぐ為に外壁・壁内の湿気を外に逃がす事です。その為の施工方法が今ではあたりまえになった通気層工法です。通気層部分に通気を妨げる建材を使用しているケースをよく見受けます。室内からの気密と外壁・壁内の通気のメカニズムがきちんと作動しているか素人の素朴な疑問を持って納得の行く説明を受ける事が必要です(意外と説明に窮する業者がおります)

断熱・気密・通気のシステム図


防腐は土台廻りの木材(土台・大引き・柱)を腐れ(菌類による腐れ・シロアリ対策)の処理です。
防腐対策として
1. 防腐処理土台(住宅金融公庫の認定品)の使用
2. 大引き・柱(土台より1m)の塗布及び注入による薬剤処理
3. 通気層工法による木材の快適環境つくり
4. 土台・大引き等木材と基礎コンクリートとの完全分離
5.床下換気の適時作動
6.土壌の消毒及び土壌からの湿気防止(ポリシート等の敷き込み等)

吹付処理 切口への高圧注入処理 土壌処理
ナミダタケ被害 シロアリ被害

最後に
工法や予算についてご説明してきましたが、建築知識としてのごく一部についてにしか過ぎません。最終的には全てを託するその会社がまた担当者が建主さんにとって相応しいか否かの建主さんの選択だと思います。住宅業界の販売競争やマスコミ等による多くの情報は建主さんにとってメリットもありますが弊害も多く感じます。洗脳的な営業や値引・目先のサービスの提示による営業で受注しているケースを多く感じます。同じお金をかけるなら、ただの見たくれの箱を造るのではなく建主さんのロマンを生かせる建物であって欲しいと思います。それは予算とは関係なくアイデアや発想の転換等で色々な造り方が出来ると思います。限られた予算の中で間取や素材にポリシーを持って求めてくるお客さんと知恵を絞りながら交渉できる事が私にとって、この仕事の喜びです。小さくても自分にほっとなれる空間や家事労働が楽しく出来る配置や収納等々考える時が家つくりで最も楽しい時と思います。